【インタビュー】鈴木宏(新潟大学大学院教授) 思いも寄らないところから大変な脅威があらわれた

執筆者:堤伸輔 2003年7月号
カテゴリ: 社会
エリア: 日本

もしインフルエンザと流行が重なったら? 新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群)のメカニズムと採るべき対策を、長年、国際医療に携わってきた専門家に聞いた。――感染症疫学やウイルス学を長年研究されてきた立場から、今回のSARSの蔓延を、どうご覧になっていますか。鈴木 三つのことが挙げられます。まず、単なる地方病で終わったかもしれない疾患が、交通の発達により一カ月もかからず世界に広まった疾患伝播の驚異的な早さ。次に、疾患報告後すぐに病原が捕まり、さらにはそのウイルスの全遺伝子をこれまた一カ月ほどで解明した驚異的な研究の進行。そして、三つ目は、大変な脅威が思いも寄らなかったところから出てきたということです。 コロナウイルスは一九六五年に発見されましたが、カゼを引き起こすだけで、致命的な病気につながる病原体ではなかった。ですから、日本ではあまり研究も進んでいませんでした。おもに米英が熱心に研究していた。それも、人を中心としてではなく、ブタ、ネズミなどのウイルスを獣医の先生が研究していた。そこへ、SARSの病因として、これまでと異なった全く新しいウイルスが登場したわけです。SARSコロナウイルス(以下、SARS Co-V)は、大きく分けて三つある従来からのコロナウイルスのタイプのどれにも属さないのです。

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