【インタビュー】鈴木宏(新潟大学大学院教授) 思いも寄らないところから大変な脅威があらわれた
もしインフルエンザと流行が重なったら? 新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群)のメカニズムと採るべき対策を、長年、国際医療に携わってきた専門家に聞いた。――感染症疫学やウイルス学を長年研究されてきた立場から、今回のSARSの蔓延を、どうご覧になっていますか。鈴木 三つのことが挙げられます。まず、単なる地方病で終わったかもしれない疾患が、交通の発達により一カ月もかからず世界に広まった疾患伝播の驚異的な早さ。次に、疾患報告後すぐに病原が捕まり、さらにはそのウイルスの全遺伝子をこれまた一カ月ほどで解明した驚異的な研究の進行。そして、三つ目は、大変な脅威が思いも寄らなかったところから出てきたということです。
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