右肩上がりの経済なら「損」は時間が解決してくれる。だが、病んで久しい日本には「損」を抉り出すしか術はない。 りそな銀行への公的資金注入は、なぜ日本企業にとってショッキングなのか。国民の血税がまた浪費される? 確かにそれは重要な論点だ。だが本当の論点は、いま注ぎ込まれる資金にあるのではない。これまでりそなの財務を底上げしてきた繰り延べ税金資産に象徴される、日本企業のバランスシートの不確かさが問題なのだ。そのいまだ見えていない巨大な穴に、これから飲み込まれるであろう巨額の資金が、日本経済の未来を揺さぶっている。
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