日本のミサイル防衛はやはり米国の思惑どおり

2003年7月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 北米 日本

 防衛庁が導入を検討している弾道ミサイル防衛システム(MD)は一九九九年四月に米国防総省が米議会に提出した「東アジアの戦域ミサイル防衛(TMD)配備に関する報告書」を基に計画されていることがわかった。北朝鮮の弾道ミサイル「ノドン」の脅威から配備への期待が高まるMD計画は、実は四年も前に米国の手でシナリオが描かれていたのだ。 同報告書によると、日本の配備計画は「低層で弾道ミサイルを迎撃する改良型のパトリオットPAC3だけ配備すると百基以上が必要になり、非実用的」と指摘。確実に日本を防衛するには「海上配備型上層防衛システム(NTWD)を採用し、イージス護衛艦四隻で防衛する」。つまり、「日本の弾道ミサイル防衛はイージス護衛艦で行なうべき」ということだ。 現に、日米でイージス護衛艦から発射する迎撃ミサイルの共同研究が始まっている。防衛庁はひそかに、自衛隊が将来MDを運用するための情報通信システムの強化も始めており、さらにPAC3も導入する方針。ともに米国製で導入の総費用は一兆円とも二兆円とも。北朝鮮の脅威に対抗するのに必要とはいえ、すべては米国の思惑通りに進んでいる。

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