SARS支援で再開する日中「首脳交流」の中身

2003年7月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中国・台湾 日本

「武大使と福田長官は、携帯電話で連絡を取り合う間柄ですよ」――武大偉・駐日中国大使と福田康夫官房長官の密接な連携が、SARS禍に対し「日本はどこの国よりも早く、どこの国よりも多くを支援してくれた」と胡錦濤総書記自身が感謝の言葉を述べ、関係者を驚かせた背景にある。 武―福田ラインをフル活用、中国大使館幹部が「支援を日本側に要請し、希望する支援の内容についても事細かに伝えました。働きかけが功を奏しました」と言えば、日本の外務省幹部も「近年、これほど効果的な援助はなかった」と自賛している。 首脳交流再開に向け、SARS支援を突破口に、と考えた大使館の思惑は半ば成功したようだ。当面の鍵は、小泉訪中・温家宝首相訪日の日程調整に絞られた。 一時、九月の自民党総裁再選を外交得点で確実にしたい小泉首相周辺が、日中平和友好条約締結二十五周年の八月十二日の訪中を模索したが、再選を見極めたい中国側が「南のほうにも足を延ばしませんか」と南京訪問の無理難題をあえて持ちかけたため、八月訪中の可能性は一挙にしぼんだ。 一方の温家宝首相は、「必要があれば、いつでも飛行機に乗ります」と外交当局に伝えている。本来なら小泉首相の公式訪問の番だが、すでに三回の非公式訪中を重ねており、温首相は「形式に拘泥する必要はない。歴史は重要だが、未来も同じように大切だ」と周辺に語ったという。

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