「学説」で持ち上げて江沢民を抑え込む胡錦濤

2003年7月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

「SARSに立ち向かいながら、既定の重要日程も淡々とこなす。胡錦濤総書記は非凡な指導力を証明してみせた」と、中国共産党中央の中堅幹部は明言した。 SARS禍真っ只中の四月二十八日、政治局は江沢民・党中央軍事委主席の唱えた「三つの代表論」に関する会議を開き、「江が無理矢理開かせた」「胡が江の歓心を買うために急遽、テーマを設定した」とされたが、日程は前々から決まっていたとこの幹部はいう。 むしろ、緊急事態下でも江の思想の体系化という「戦略的任務」(新華社)を淡々と処理し、「江ら長老の政局介入への口実を封じた事実に注目すべき」だという。 一月の全国宣伝部長会議などで決定していた「三つの代表論」関連の主要日程は次のとおり。 (1)党中央宣伝部を軸に党中央組織部、党中央校、党中央文献研究室、人民解放軍総政治部、社会科学院などが連携して六月末までに「三つの代表重要思想学習綱要」を出版する。四、五月は綱要編纂に向け党内の意思統一の重要な準備期間(2)七月初旬をめどに宣伝担当の李長春・政治局常務委員が主宰する全国宣伝部長会議を招集、先の綱要に基づき全国レベルの宣伝・学習運動展開を訴える。 実際には「綱要」は予定より早く六月八日に出版開始となった。胡指導部が前倒ししたようだ。

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