人工関節メーカーの買収合戦が欧州企業の行動を変える?

2003年7月号
エリア: ヨーロッパ

 欧州最大の人工関節メーカー、センターパルス(本社・チューリヒ)を巡る買収合戦が過熱してきた。今年三月に英国の医療機器大手スミス・アンド・ネフュー社(S&N)が買収提案を出していたところへ、五月末になって米国の同業大手ジンマーがS&Nを上回る三十億ドル(約三千五百億円)での買収を申し出たのだ。S&Nは買収提案価格を引き上げる方向で取引銀行と交渉していると言われ、さらに買収価格の引き上げ合戦に発展する可能性が高い。 人工関節など整形医療機器は、移植医療の広がりで急速に需要が伸びている。米ジョンソン・エンド・ジョンソンが最大手だが、大半は医薬品や機械メーカーの子会社や事業部門で、今後も再編が進むとみられている。S&Nにせよ、ジンマーにせよ、センターパルスの買収が成功すれば世界首位の座に躍り出るだけに、一歩も引かない構えだ。センターパルスは二〇〇一年、人工関節の不具合から米国で患者に集団訴訟を起こされ、多額の和解金の支払いを迫られた経験をもつ。ブランドは大きく傷ついたが、それでも売上高(前年は千三百億円余り)の三倍近い買収価格を提示されるほど、この分野の将来性は高いと見られているわけだ。

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