小泉政権における財務省人脈のキーパーソンが武藤敏郎日銀副総裁であることは衆目の一致するところだ。上にも下にも同期にも、彼の地位を揺るがしそうな人物はいない。小泉首相の直々の指名を受けて日銀副総裁に就任し、五年後には総裁への就任も見込まれるとあって、武藤の影響力はさらに高まっていきそうな気配だ。「花の四十一年組」と言われた同期の中で、もともと武藤は優秀ではあれそれほど目立つ存在ではなかった。同期にはあの中島義雄・元主計局次長や長野厖士・元証券局長などの「スター」がいた。しかし、彼らはスキャンダルで役所を去り、残ったのは派手さとは無縁の武藤の方だった。
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