郵政公社“トヨタ流改革”を過大評価するなかれ

2003年8月号
エリア: 日本

 今年四月に発足した日本郵政公社は、赤字体質の郵便事業の立て直しが最重要課題。民営化に向けて改革をアピールしたい生田正治総裁は、同事業の黒字化を「改革のバロメーター」と位置付けている。そのための施策として、前身の郵政事業庁時代にトヨタ自動車の生産・コスト管理を学ぶ「トヨタ・プロジェクト(Tプロ)」が立ち上げられているが、全国に二万四千七百の郵便局と二十八万人の職員を抱える官業組織だけに、現実の公社の変化はメディアで喧伝されるほどではないようだ。 二〇〇二年度の郵便事業は、二百二十五億円の赤字に転落(〇一年度は八十億円の黒字)。こうした中、郵便局の作業工程を見直すため、手始めに越谷郵便局(埼玉県越谷市)でトヨタの社員七人を含むプロジェクトチームが今年一月に発足。「ムリ、ムダ、ムラ」を徹底的に排除する「トヨタイズム」の導入が図られている。 Tプロのリーダーとして陣頭指揮を執るトヨタ物流企画部の林郁雄氏は、これまでに郵便物の置き場所や作業時間管理といった四百八十項目に及ぶ問題点を指摘。「郵便局の仕事はムダだらけ」と酷評し、公社幹部に対しても「もう少し現場をみて頭を悩ませた方がいい」と言い放った。

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