高支持率のブラジル大統領“八方美人”政策の正念場

執筆者:前田浩志 2003年9月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 中南米

[サンパウロ発]今年一月に就任したブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領が、最初の正念場を迎えている。インフレ抑制を最優先させた経済政策で景気が冷え込んでいるのに加え、政府が進める税制・年金制度改革を柱とした構造改革関連法案も「抵抗勢力」の切り崩しに直面。同国初の「労働者階級出身大統領」として不安と期待を集め発足したルラ政権だが、内外からの高い支持を背景に難局を乗り切れるかどうか、真価が問われている。 ルラ政権は、これまで予想外ともいえる内外からの高い人気を博してきた。七月半ばに相次いで公表された世論調査によれば、政権全体の支持率は約四六%で、ここにきて低下傾向をみせているものの、発足半年後では歴代政権の中で最も高い水準を維持している。特に大統領個人の支持率は七七%と、驚異的な高さだ。 また、アメリカをはじめとする国際社会からの評判も悪くない。ルラ氏はかつて、ブッシュ米大統領を「戦争しか考えない大統領」だと批判し、米英軍による三月のイラク進攻にも一貫して反対していた。ところが、六月にルラ氏と会談したブッシュ大統領は「ブラジルとの関係は死活的かつ重要」だと持ち上げ、両国関係への配慮をにじませた。また、これもかつてルラ氏の攻撃対象だった国際通貨基金(IMF)のケーラー専務理事も、ルラ氏との会談で経済運営手腕を高く評価している。

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