米国債市場の反乱がブッシュ政権を倒す時

執筆者:小田博利 2003年9月号
エリア: 北米

一朝事あらば跳ね上がる長期金利が米国経済のアキレス腱だ。大統領再選を最優先する国防国家で“マジック”の空回りが始まっている。 八月五日から七日にかけて、米国の金融関係者は憂鬱な日々を過ごした。三カ月に一度やって来る米国債の定例入札で、債券相場が大きな値崩れを起こすかどうかのところまで追い詰められていたからだ。すんでのところで白馬の騎士が現れ、大混乱は免れたが、長期金利こそは米経済のアキレス腱なのである。 グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、堕ちた偶像か。金融関係者の間では、こんな話題で持ちきりだ。グリーンスパン議長は一九八七年の就任直後のブラックマンデー(世界同時株安)を乗り切り、九〇年代初頭の貯蓄貸付組合(S&L)危機を克服し、九八年のヘッジファンド危機さえも乗り越えた。 最大の修羅場だった二〇〇一年のIT(情報技術)バブル崩壊さえも、何とか克服したようにみえた。そんな議長に対して、米国の債券市場が反乱を起こしだしている。原因の一端は、FRBによる市場心理の読み違いにある。きっかけは、五月六日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、デフレ懸念を強調したことだった。

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