なりふり構わぬFIFAの証券化戦略に拡がる不安

2003年10月号
エリア: ヨーロッパ

 金銭にからむスキャンダルが絶えない国際サッカー連盟(FIFA、本部スイス・チューリヒ)が、なりふり構わぬ証券化に突き進んでいる。二〇〇六年のワールドカップ・ドイツ大会の公式スポンサーから入る予定の協賛金や、放映権料などを軒並み証券化、投資家に販売することで前倒しで現金を手にしているのだ。FIFAの収益は四年に一度のワールドカップの年に集中しており、その他の三年間は支出ばかり。この四年周期の収益変動を平準化する、というのが証券化のうたい文句だ。 このほど日本の広告大手電通がFIFAから、ドイツ大会の「プレステージ・チケット」と呼ばれる高額席の全世界での販売権を獲得した。電通とブラッターFIFA会長の長年の人間関係が実を結んだ結果とされるが、電通が提示した条件にFIFAが魅力を感じたことが大きいようだ。新聞報道によると、電通は全座席の一〇%にあたる三十四万五千枚の販売権を獲得、これに食事や記念品などをセットにして一席数十万円で販売する予定だ。 FIFAが魅力を感じたのは電通が提示した価格もさることながら、そこに付けられた銀行保証がポイントだったようだ。FIFAが一定の条件の下、権利行使をして前倒しで資金を引き出すことが可能なスキームのようだ。いわば形を変えた証券化である。金融筋によると、銀行保証は英国のHSBCと、日本のみずほ、東京三菱が付けたという。

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