与党分裂、盧武鉉は「弾劾」論に「国民投票」で対抗

執筆者:黒田勝弘 2003年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

ついには国民投票で信任を問うことに? 一〇%台の低支持率にあえぐ大統領は、八方破れの政治手法で突破をはかるが……。[ソウル発]韓国の政界で最近、語られていたことに、そのうち盧武鉉大統領に対する「弾劾」という事態があるのではないか、というのがある。先に盧大統領は不人気に対し「(いくら叩かれても)下野などしないぞ」と自ら「下野」という言葉を口にする場面があったが、今度は「弾劾」が登場しているのだ。 これは政界のみならず、保守派の論客などの集まりでは堂々と話題になっていた。「弾劾」とは、国会が盧大統領に対し「無能力で国政担当に不適切」として三分の二以上の賛成で弾劾決議をし、これを受けて憲法裁判所が弾劾決定した場合、大統領権限は停止され首相が職務代行となり、その後、六十日以内に大統領選を行ない新しい大統領を選ぶというものだ。「下野」とは自分で辞めることだが、「弾劾」は辞めさせられることを意味する。盧大統領は任期スタートからまだ一年にもならないのに、もうこんなことがささやかれているのだ。これは韓国の現代政治史ではまったく異例である。尋常ではない。「弾劾―辞任」論が登場した背景は与党・民主党の分裂と盧大統領の「無党化」である。

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執筆者プロフィール
黒田勝弘 産経新聞ソウル駐在客員論説委員。1941年生れ。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員を経て現職。2005年度には日本記者クラブ賞、菊池寛賞を受賞。在韓30年。日本を代表するコリア・ウォッチャーで、韓国マスコミにも登場し意見を述べている。『“日本離れ”できない韓国』(文春新書)、『ソウル発 これが韓国主義』(阪急コミュニケーションズ)など著書多数。
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