シアヌーク国王がイラ立っている理由

執筆者: 2003年11月号
エリア: アジア

 カンボジアでは総選挙が七月末に行なわれたものの、新政権誕生のメドすら立っていない。勝利したフン・セン首相の与党、人民党の連立工作が進んでいないためだが、シアヌーク国王もいら立ちを深めているようだ。 国会は九月末に開会したが、召集役の国王は欠席するという異常事態となった。人民党以外の党がボイコットを宣言したためだ。開会直前になって全党出席の噂が流れ、国王が一時は臨席の準備をするドタバタもあった。 これに先立ち、国王は国会召集を求めるフン・セン首相と人民党に癇癪を爆発させている。国民向けにわざわざ声明を発表、召集要請を「脅迫」と断じ、「フランス植民地主義者、アメリカ帝国主義者、ベトナム侵略者、ポル・ポト派のいずれにも私は恐れをなしたことなどない」と大見得を切ったのだ。

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