「対中接近」を強めるオーストラリア

2003年11月号
カテゴリ: 国際

日本・ASEANへの「実ることのない片思い」から現実主義へ――。対アジア政策の重心は確実に移りつつある。[メルボルン発]オーストラリアのジョン・ハワード首相は八月半ば、北京で中国の胡錦涛国家主席や温家宝首相と相次いで会談。温首相との会談後、両国の経済関係強化を狙ったFTA(フリー・トレード・アグリーメント=自由貿易協定)締結の可能性を探る協議を始めると強調した。 ハワード首相は中国重視の姿勢をアピールするのに必死だ。オーストラリア北西大陸棚から産出するLNG(液化天然ガス)を広東省向けに二〇〇五年から二十五年間輸出する契約を結んだと昨年発表したのも首相自身だった。北京を訪れて、当時の江沢民主席とのトップセールスで契約をものにしたのだ。 中国がオーストラリアの資源・エネルギー産品を輸入するのは、これだけにとどまらない。メルボルンに本社を置く世界二位の資源開発会社BHPビリトンは、主要産品の一つ、鉄鉱石の二割を中国向けに販売している。BHPはかつて「ビッグ・オーストラリアン」と呼ばれ、近隣国に対する資源の開発を通じて外交政策の一翼を担ってきた。グッドイヤーCEO(最高経営責任者)は最近ことあるごとに、中国市場の重要性を強調しており、政府と軌を一にして対中シフトしていることがうかがえる。

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