苦境ボーイングの浮沈のカギは日本

2003年11月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 北米

[シカゴ発]「航空機が誕生して以来、(民間機需要は)最悪の落ち込みだ」。今年五月、東京を訪れた米航空大手ボーイングのコンディット会長はこう述べた。同社はいま、「最大の収益源が大幅に落ち込んだとき何をすべきか」という難問に直面している。 同時テロが起きた二〇〇一年、ボーイングの民間航空機引き渡し実績は年間で五百二十七機と前年の四百八十九機を上回った。航空機は長期的な見通しに基づいて発注されるため、テロの影響は最小限にとどまったのだ。しかし翌年から悪影響が本格化し、二〇〇二年は三百八十一機に激減。二〇〇三年は対イラク戦争、新型肺炎SARSも加わって、二百八十機しか見込まれておらず、二〇〇一年に比べるとほぼ半減する見通しだ。二〇〇一年通期で民間機部門は営業利益の七割近くを稼ぐ大黒柱だっただけに、その後の落ち込みは経営に決定的な影響を与えた。 ボーイングは軍事部門になんとか活路を見出した。同時テロ以降、国防に対するブッシュ政権の財政支出は大幅に拡大。二〇〇二年通期で民間機部門の売上高は前年比約二割減となるかたわら、軍事部門の売上高は同約一割増で、全体の営業利益は約三十八億ドルとほぼ前年並みを維持した。この時点では株式市場にも、いずれ民間機需要が回復すれば問題ないという見方まで浮上していた。

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