ブッシュ再選の「秘密兵器」はローラ・ブッシュ

執筆者:ルイーズ・ブランソン 2003年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

控えめながら教養豊かなローラ夫人が、大統領の失点を補うように表舞台に出始めた。[ワシントン発]九月末のある朝、アメリカ中の新聞の一面を、同じ写真が飾った。パリはエリゼ宮で、ローラ・ブッシュ米大統領夫人を出迎えたジャック・シラク仏大統領が、その手に口づけをしている写真だ。「仲直りのキス?」という『ニューヨーク・タイムズ』紙の見出しは、もちろん、イラク問題を巡るシラクとブッシュ米大統領の不協和音を意識したものである。 単独でフランスを訪問していたファーストレディ自身、地元テレビ局の取材を受けて、「意見の相違があっても、友だちには変わりないわ。私たちは感情的にはしっかり結ばれているの」と語り、アメリカとフランスの絆を強調した。さらに訪仏中、ローラは十九年ぶりの米国のUNESCO(国連教育科学文化機関)復帰を記念するスピーチを行ない、「文明世界」対「テロリズム」という夫の世界観を盛り込んでみせた。 ローラ・ブッシュは、近年のファーストレディの中で最も目立たない存在だ。ジャクリーン・ケネディのように洒落たファッションに身を包んでメディアに追い回されることはないし、ナンシー・レーガンのように威張り散らすこともない。やはり控えめだった義理の母バーバラ・ブッシュですら、彼女と比べれば毒舌家だった。そして誰より、明確な主義主張を持ち、現役時代の夫に「幸運なことにアメリカには大統領が二人いる」と言わしめた前任のヒラリー・クリントンとローラは好対照を成す。

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執筆者プロフィール
ルイーズ・ブランソン イギリス出身。英『サンデー・タイムズ』紙モスクワ支局長を経てフリーランスに。米『ワシントン・ポスト』紙元モスクワ支局長で夫のダスコ・ドーダー氏との共著に『ミハイル・ゴルバチョフ』『ミロシェビッチ――暴君のポートレイト』がある。
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