イラク行き自衛隊員を「厚遇」と羨む外務省

2003年12月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中東 日本

 イラクに派遣される自衛隊員の「命の値段」論議が始まった。 隊員には一日三万円の特別手当が支払われ、死亡した場合、賞恤金が出る。今回、従来の六千万円から九千万円にアップし、首相が支払う形の特別褒賞金を加えれば、ちょうど一億円となる。 陸上自衛隊が派遣されるのは南部のサマワという人口約十三万人の中都市。治安維持にあたるオランダ軍にはこれまで一人の死者も出ておらず、イラクでもっとも安全な都市のひとつとされている。 で、怒っているのは外務省関係者。テロ攻撃が相次ぐバグダッドにある日本大使館員には特別手当も賞恤金もない。自衛隊に警備任務が認められていないため、大使館は安全維持を民間の警備会社に委ねている。「武器を持った自衛官が安全な場所にいて、文官の方が危険とはどういうわけか」というわけだ。 一方、防衛庁幹部は「制度がすべて適用されると思ったら大間違い。インド洋に派遣されている護衛艦や補給艦の乗員二人が交通事故とストレスで死亡したが、賞恤金も特別褒賞金も支払われていない」。銃撃戦で亡くなるなど「華々しい死に方」でないと支給の対象にはならないと反論している。

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