日本は前に進むのか[憲法改正]テーマを絞り、そして改正手続きを明確に

執筆者:前原誠司 2004年1月号
エリア: アジア

 現憲法で残すべきところ、変えるべきところをまず明確に分けるべきだ。残すべきは「理念」だと思っている。ただ、平和主義を守ることは憲法九条を墨守することと同じではない。人間には基本的人権があり、国家には自然的権利としての自衛権がある。国民、財産を守り、主権を保つため、自衛権を発動できるよう明文化することは、平和主義を何ら変えることにはならない。また、国連憲章第五一条に加盟国は個別自衛権と集団的自衛権を併せもつとある。日本も集団的自衛権を行使できる。これも明記すべきだと考えている。 有事や大規模テロなどの緊急事態についての規定が現憲法にはない。本来は、憲法上、有事と平時とでは、国民の権利と義務の関係に違いがあってしかるべきであり、有事にどこまで国民に制約を課すかについて、国民的討議を経た上で明確化することが必要だ。

カテゴリ: 政治
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