イラクのパレスチナ化と日本のたどる道
自衛隊派遣への感情的反対論に対する反論は難しい。しかし、冷静に将来を見通す必要があることは間違いない。 テロの衝撃は様々な反応を呼び起こす。世界貿易センタービル、国防総省などに対する攻撃に米国は怒った。アル・カエダの拠点アフガニスタンを攻撃し、タリバン政権は崩壊した。イラク戦争もその延長線上にあり、十二月十三日、サダム・フセインを捕えた。 一方、バグダッド事務所爆破に国連は怯んだ。アナン事務総長はテロに屈しないと強調したが、職員はイラクから撤収した。 日本は悩む。奥克彦大使、井ノ上正盛書記官の訃報を聞き、既に二度延期していた自衛隊のイラク派遣に関する基本計画の閣議決定をさらに先送りした。政府は十二月九日、自衛隊のイラク派遣基本計画をようやく閣議決定した。小泉純一郎首相は記者会見で理由を説明したが、議論は決着していない。
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