組織化が進むイラクの反米活動

執筆者:畑中美樹 2004年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東 北米

フセインが拘束されてもイラクは安定化しない。前政権の支持者に加え、海外からの義勇兵によるテロも増えている。 十二月十三日、サダム・フセイン元大統領が、出身地のティクリット南郊の農家で拘束された。これによりイラクの安定化を期待する向きもあるが、事はそれほど単純ではない。 確かにフセイン政権の支持勢力にとってフセインの拘束は、精神的支柱や資金源の喪失という点では痛手である。しかし、農家に潜んでいたことが示すように、頻発するすべての襲撃事件にフセインが関与していたとは考えにくい。さらに後述するように、イラクの抵抗勢力は様々なグループから成っており、しかもここに来て襲撃事件でのグループ間のゆるやかな連携の徴候もうかがわれるからである。 ラマダン(断食月)入り直後の十月二十七日、バグダッドで五件の自爆テロが発生(一件は未遂)した前後から、イラクの治安は悪化が続いている。十一月の米軍の死者数は八十一人と開戦後最も多くの犠牲者を記録した。国連現地本部への自爆テロなど八月に起きた一連の事件後、九月に入ってからは一時、鎮静化の方向に向かうかに見えたイラク情勢は、新たな局面を迎えつつある。中心的役割はバース党だが……

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執筆者プロフィール
畑中美樹 1950年東京都生れ。慶應義塾大学経済学部卒業。富士銀行、中東経済研究所、国際経済研究所、国際開発センター エネルギー・環境室長などを経て現職。中東・北アフリカ地域で豊富な人的ネットワークを有する。著書に『石油地政学――中東とアメリカ』(中公新書ラクレ)、『オイルマネー』(講談社現代新書)、『中東湾岸ビジネス最新事情』(同友館)などがある。
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