まだまだ遠いゼネコンの「採算ライン」

2004年1月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾

 ゼネコンが中国で現地法人の設立を加速している。世界貿易機関(WTO)加盟に伴い中国政府が外資系ゼネコンの参入規制を緩和したのがきっかけ。二〇〇八年の北京オリンピック開催を控え、中国では建設需要が旺盛だ。各社とも現法設立で需要の取り込みを狙う。ただ、実際に受注できる工事案件は限られるのが実情で、収益確保の面では課題も多い。 大手ゼネコンでは、鹿島と清水建設が七月に、大林組と竹中工務店も九月に現法を設立した。場所はいずれも上海。一九八六年に現地企業と合弁方式で現法を設立した大成建設を含め、スーパーゼネコンと呼ばれる五社の現法設立は出そろった。準大手クラスでも最近、フジタや三井住友建設がそれぞれ上海に現法を設けた。熊谷組と西松建設も現法設立を検討中という。 中国で建設業を展開するには中国政府や地方政府から「特級」「一級」「二級」「三級」のうち、いずれかの資格を取得する必要がある。今回、ゼネコン各社が設立した現法はいずれも二級の資格。規定により、各社は営業開始までに百五十人の従業員を雇用しなければならないが、中国現地では直接採用ができない。中国政府の窓口から紹介を受け、雇用契約を結ぶ必要がある。大手、準大手が一斉に人材確保に動いたため、そのハードルは限りなく高くなっている。あるゼネコンの幹部は、「政府とのパイプづくりを急いでいるが、他社に先駆けていかに優秀な人材を確保するかが課題」と話す。

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