反仏機運に乗じて英米人観光客の獲得に乗り出したスペイン

2004年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

 スペインが英米からの観光客獲得に本腰を入れ始めた。「(米国人の)反仏感情に乗じるつもりはない」(ウトレラ観光相)とは言うものの、「(米国の)欧州の友人」イメージを前面に押し出す戦略は、イラク戦争の機に乗じたものであることは間違いない。 欧州有数のビーチリゾート、マヨルカ島を擁するバレアレス諸島の観光局は先頃、マヨルカ島に別荘を持つ米俳優マイケル・ダグラス氏と五年間の宣伝契約を結んだ。ダグラス氏は、ベルリン、マドリード、ロンドンの三都市で行なわれる観光展示会に参加し、バレアレス諸島売り込みのキャンペーンを繰り広げる予定だ。 人気スポットのひとつコスタ・デル・ソル(太陽海岸。アンダルシア地方)では、二〇〇三年一月から四月までの四カ月間に訪れた米国人観光客の数が前年の同時期と比べ四・七%増加。これを受けてアンダルシアの観光業者は九月、シカゴで米航空会社エアープラス・コメットとの交渉を開始。ニューヨーク―マラガ間の直行便の宣伝と、格安チケットの提供に乗り出す見通しだ。 米国人だけでなく英国人観光客の人気も上昇しており、英国人観光客の目的地としてスペインはフランスからトップの地位を奪い取った。一月から十月までに合計千四百四十万人の英国人観光客が訪れており、これは前年比一〇・一%増。この背景にはデービッド・ベッカム選手のレアル・マドリード移籍も関係しているとされる。同サッカークラブのミュージアムは大人気で、スペイン観光の目玉とも言うべきプラド美術館の年間史上最高入場者数(二百万人)さえもしのぐ勢いだ。

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