世界情報サミット 米国のネット支配に挑む中国

執筆者:楠佳史 2004年2月号
カテゴリ: IT・メディア 国際
エリア: 中国・台湾 北米

[ジュネーブ発]インターネットは米国の軍事技術が産みの親だ。が、誰でもホームページを自由自在に渉猟できる画期的な「ワールド・ワイド・ウェブ(www)」が開発されたのはスイスのジュネーブ郊外。CERN(欧州合同原子核研究機関)が主役だった事実は意外に知られていない。 そのジュネーブが昨年末、ネットの歴史を再び転回させた。デジタル社会の未来を展望した国連主催の「世界情報社会サミット」で、「インターネット・ガバナンス」を国際政治のアジェンダに押し出したからだ。言い換えれば「ネットは誰のものか」という覇権争いの号砲である。 昨年十二月十日。中国の王旭東情報産業相はサミットの演壇で机をたたかんばかりに力を込めた。「表現の自由や人権は保障すべきだが、社会制度の違いや文化の多様性も尊重してほしい。インターネット管理には『政府間組織』がもっと参加し、調整に当たるべきである」 ネット管理の核心は米カリフォルニア州マリナデルレイに本拠を置く非営利法人「ICANN」が担う。ネット上の住所にあたるドメイン名の割り当てや接続の根幹をなすルートサーバー・システムを統括している。この事実をふまえ、中国はこれらの業務を国際電気通信連合(ITU)など国連機関へ移管することを要求。異様なこだわりを見せたのである。

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