資源枯渇に備える小国ブルネイの転機

執筆者:浅井信雄 2004年2月号
カテゴリ: 国際 文化・歴史 金融

 日本に一番近いイスラム国家ブルネイの元旦の各新聞に、ボルキア国王の「政府職員は住民サービスの質を高めよ」との指示が大きく掲載された。優遇されるマレー系民族が主として働く政府機関で、安住と官僚的気風が強まっていることがうかがわれる。 その程度の推測は可能だが、この国の内情は外部から見えにくい。独裁的な君主制の下、言論の自由がなく、政府の説明も不十分、常駐の外国報道機関は存在せず、短期訪問の取材記者に対して住民も本音を語らないからだ。「北朝鮮に次いで謎めいた国」の評価さえある。 米中央情報局(CIA)の二〇〇三年七月現在の推定で、総人口は三五万八〇九八人、民族的構成では、マレー系六七%、中国系一五%、先住民六%、その他一二%である。宗教的にはイスラム教徒六七%、仏教徒一三%、キリスト教徒一〇%、伝統信仰とその他が一〇%となっている。三重県ほどの国土に三重県の人口の五分の一以下が住む。 マレー系にはブルネイ・マレー系を始めとして、トゥトン、カダヤンなどのイスラム住民を含む。国家理念に「マレー・イスラム王国」を掲げ、イスラムを国教と定めるため、政策的にマレー系やマレー系に近いイスラム教徒を同じ分類枠に一括しているのだ。

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