【[検証]アメリカンスタンダード 8】 ネオコンにみるユダヤ系の政治関与

執筆者:田村秀男 2004年2月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 北米

ネオコンが「中東の民主化」を主張する背景には、深い理由がある。それを知るには、ユダヤ系アメリカ人がいかに政治に関わってきたか、その歴史をひもとく必要がある。「9.11」以降のアメリカを支配している共和党新保守派(ネオコン)は、今に始まったわけではなく、冷戦時代から続く一大政治潮流を代表している。それはアメリカ政治へのユダヤ系の関わりのうねりの中から生まれた。 一般的には、ネオコンの面々がユダヤ系であることから、対イラク戦争も親イスラエル政策の延長であると見がちである。また、その他のブッシュ政権要人の軍事産業、石油ビジネスとの関わりという状況証拠を結び付けて、イスラエル・産軍複合体・石油というアメリカの三大国益を追求する主役がネオコンだというふうな、穿った観測も流れている。 このような見方は、ネオコンが主張する「中東の民主化」を、単なるアメリカ流方便として軽く扱いブッシュ政権の対外政策を矮小化してしまい、ネオコンの本質を見失う結果を招く。 一九八〇年代のレーガン政権以来、歴代の共和党政権は伝統的な保守派、現実主義的な中道派、そして新保守主義つまりネオコンの三派の連合体である。ネオコンをサポートするチェイニー副大統領とラムズフェルド国防長官は、いずれもウォーターゲート事件で七四年八月に失脚したニクソンを継いだフォード政権の「残党」である。当時チェイニーは大統領首席補佐官、ラムズフェルドは国防長官。フォード政権は対ソ強硬路線に傾き、チェイニー、ラムズフェルドのタカ派に食い込んだのがポール・ウルフォウィッツ(現・国防副長官)とリチャード・パール(現・国防総省の諮問機関「国防政策ボード」委員)である。

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