モスクワ地下鉄テロがプーチンに背負わせた重荷

2004年3月号
カテゴリ: 国際
エリア: ロシア

[モスクワ発]ロシアの首都モスクワで死者三十九人、負傷者百三十四人を出した二月六日の地下鉄爆破テロがプーチン政権に深い衝撃を与えている。プーチン大統領は事件直後、「テロとチェチェン武装勢力を結び付けるいかなる間接的な証拠もいらない」と述べ、チェチェン共和国の独立派指導者、マスハドフ元共和国大統領とその一派の犯行と断定したが、その口調にはかつてない強い苛立ちがにじんでいた。 プーチン大統領は「マスハドフ一派と交渉すべきだとのアピールが外国からあったが、テロリストとのいかなる対話も拒否する。そうした接触が大型犯罪を鼓舞することになる」と強調。「テロは二十一世紀の疫病であり、撲滅されねばならない」とも語り、反テロ国際協調の強化を訴えたが、プーチン政権の金看板である対チェチェン強硬路線は実のところ大きな曲がり角に差し掛かっている。 ロシア政府筋は「これまではチェチェン武装勢力によるテロが起きても、大統領への国民の支持が強まるプラスの作用が働いた。しかし、一期目の終わりに当たってもテロを防げなかったことは逆にマイナスとなり始めるとの見方が強くなっている」と政権側の本音を明かす。プーチン大統領は三月の大統領選挙で再選が確実とみられているが、政権二期目にはチェチェン武装勢力のテロが真の意味で重荷となる可能性がある。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順