【インタビュー】翁百合(日本総合研究所調査部主席研究員) 郵政の金融機能は「決済」と「販売」を強化すべきだ

執筆者:フォーサイト編集部 2004年4月号
エリア: 日本

民営化後の業務内容や取り扱い商品の範囲すら固まらないうちに、「官業の肥大化」を始めた郵政公社。民営化された郵政事業とはどうあるべきなのか。金融専門家の立場から発言を続ける翁百合氏に聞いた。――郵政民営化という言葉がひとり歩きしていますが、「民営化の内容」はなかなかイメージ出来ません。そもそもなぜ郵政事業改革が必要なのでしょうか。翁 確かに郵政民営化の必要性は分かりにくい。郵貯は国民の八割が利用しており、そのメリットも享受しています。実は私も九〇年代初頭の金利が高い時、定額郵貯に三百万円ほど預けたのですが、十年後に満期になった時、五百万円以上になっていました。何だか税の還付を受けたような得した気分になったものです。問題は、こういう郵貯のメリットが国民経済的に見ていいことなのかどうかでしょう。郵便局で何を売るか翁 郵政改革の必要性は、貯金者の視点というより納税者の視点で考えた方がよく分かります。納税者の視点からみた場合、改革の一番の理由は、様々な制度との「整合性」です。ここ数年で金融システムや財投(財政投融資)を含めた財政構造は大きく変わりました。役所も民間も低成長時代を見据えた改革を進めています。その中で、公的金融だけ手をつけずに放っておけば、システム全体の中に必ず「大きな歪み」が生じ、納税者に負担としてかえってくる。

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