名護金融特区「パスダック構想」の可能性

2004年5月号
エリア: 日本

豊富な個人マネーを蓄えながら、投資先をみつけられずにいる日本経済。証券市場間の取引を活発化することで、アジアに資金環流の仕組みを作れるか。 かつて、ニューヨーク、ロンドンと並んで世界の中核的存在だった日本の金融市場が、地盤沈下に苦しんでいる。悩ましいのは日本経済の凋落を背景にした、国内金融システムの機能不全だけではない。国境を越えた企業活動が活発になる中で本来ならば外国企業を取り込むことが可能なはずの証券市場が、“日本素通り”に遭っているのだ。 高成長経済に背を押され、世界に資金調達の場を求める中国企業が、ことごとく日本の証券市場を飛び越えていく。昨年十二月、香港証券取引所とともにニューヨーク証券取引所でも上場した中国人寿保険の調達額は、米国市場で同年最高額の三十億ドルに達した。いまや中国企業はアメリカ市場で、下にも置かれぬ上得意である。 片や日本。現在、外国企業が上場する日本の証券市場には東京証券取引所の外国部があるが、その上場会社数は最盛期(一九九一年)の百二十七社から三十二社に激減した。東証の土田正顕社長(故人)が今年の大発会に臨んで、「中国などアジア企業の上場誘致を実現したい」と口にしたのは、こうした厳しい現実を打開しなければ未来はないとの危機感を抱いていたからに違いない。

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