GMが動き出した「水素時代」の夜明け

2004年5月号
エリア: 北米

来たるべきエネルギーの主役交代を睨み、GMが燃料電池による発電・電力供給ビジネスを開始した。その「水素時代」への戦略とは――[ニューヨーク発]石油に代わる水素エネルギー社会の到来が見えてきた。水素エネルギーの中核を担う燃料電池車。日米欧の各メーカーがその覇権をめぐり水面下で激しい攻防を繰り広げる中、自動車メーカー世界最大手のゼネラル・モーターズ(GM)がいち早く大掛かりな動きに出た。 GMは二月十日、メキシコ湾を望むテキサス州フリーポートにある石油化学最大手のダウ・ケミカルの工場で、同工場から副産物として出る水素をエネルギー源として燃料電池による発電・電力供給を始めた。世界初となる燃料電池を利用した商取引事業だ。当初は米国の平均的家庭約六十世帯の年間使用量に相当する七十五キロワットでスタート。今年末にも一メガワットに引き上げ、二〇〇六年には同二万五千世帯の年間消費電力に当たる三十五メガワットまで高める予定だ。将来は千メガワットを供給することも視野に入れている。 GMはこのプロジェクトで、発電装置である燃料電池ユニットの性能を向上させ、自動車に搭載する際の燃費コスト低減を目指す。自動車の構造だけで燃料電池車の性能向上を狙っている競合他社とは一線を画し、水素の供給ノウハウ確立やインフラ整備も含めて一気に勝負をかける作戦だ。

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