インドネシア総選挙で「辛勝」にこだわる大物政治家たち

2004年5月号
カテゴリ: 国際

[ジャカルタ発]四月五日、インドネシアで大統領選に大きな影響を与える総選挙が行なわれた。同国の総選挙は五十万カ所以上で投票されるうえに通信インフラの未整備などから集計時間が長い。前回一九九九年の総選挙では確定までに約三カ月を要した。今回も開票結果の確定までには相当の時間が予想される。投票から一週間ほどの状況は、ゴルカルが優勢。一方で民主党などの少数政党が票をのばし政局は混沌としている。 人口約二億一千万人以上をかかえる世界最大のイスラム教国家である同国では、ジェマー・イスラミアなどイスラム原理主義組織によるテロが頻発。また、現職のメガワティ大統領の二人の妹ラフマワティ氏とスクマワティ氏に弟のグル氏が総選挙に出馬。さらにスハルト元大統領の長女・トゥトゥット氏が大統領選に出馬するなど骨肉の争いを展開、不安定な状態がつづいている。そんな中、ゴルカルのアクバル・タンジュン国会議長、メガワティ大統領の夫キマス氏、ワヒド前大統領、スシロ・バンバン・ユドヨノ前調整相らは、政党の原理原則をよそに「勝ち馬」に乗るためのパートナー選びに必死。しかも彼らが望むのは「辛勝」。奇妙な権力闘争をつづけている。「小差で決着をつけたい。勝っても負けても、大差だとまずいことになる」――。集計作業を見つめる第二党ゴルカル党幹部はこだわる。第一党への返り咲きを狙うゴルカルは、ユスフ・カラ調整相、ウィラント元国軍司令官ら有力者七人を大統領選候補に指名したが、四月中には一人に絞る。最有力候補は同党党首のアクバル氏だが、公金不正流用事件などに絡むマイナスイメージは大きな弱点。だが、このままゴルカルが総選挙で大勝すれば党首としての立場上、立候補せざるを得ない。

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