日の丸旅客機、翔ぶ

執筆者:船木春仁 2004年6月号
エリア: 日本

いま日本の“ものづくり”に対する評価が錯綜している。だが、悲観や楽観を排して日本のメーカーを凝視すると、独自技術を磨き上げ競争力とした企業群が浮かび上がる。連載第一回では、米ボーイングと新型機を共同開発する日本の航空機産業をとり上げ、逆境をバネに進化したメイド・イン・ジャパンの実力を検証する。 決して大げさではなく、二〇〇四年四月二六日は、日本の航空機産業にとって歴史の歯車が大きく動き始めた日と記録されるだろう。 この日、米ボーイング社が次世代の中型旅客機「7E7」の初の受注を得たと発表し、製造着手を決定した。新型航空機の製造にゴーサインを出すことを業界ではローンチ(Launch=乗り出す)と言う。最初の顧客であるローンチ・カスタマーとなったのは全日空で、発注数は五〇機に上る。二〇〇八年に第一号機が引き渡される予定だが、実機がない中でのこれほどの大量受注は、ボーイングの航空機開発史上でも例がない。ボーイングにとっては、主要クラスの中・大型機分野では一九九〇年の大型旅客機B777以来、一四年ぶりの新型機開発となる。 やっと、ここまで来た――。日本の航空機メーカーの関係者が決して口にすることはないが、誰もがその感慨を静かに噛みしめているに違いない。

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