過剰投資の背景に地方政府の「面従腹背」

2004年6月号
エリア: 中国・台湾

 中国政府が過剰投資抑制へ向け、新たな措置を打ち出している。政府は昨年から投資を抑えるようしきりに指示を出してきたが、歯止めが利かない。中国の一―三月期の固定資産投資額は前年同期比で四三%増加した。このまま放置すれば景気の腰折れを招くだけに、強硬措置も辞さない構えだ。 政府が槍玉に挙げるのが鉄鋼、セメント、アルミニウムの素材三業種と不動産業界。たとえば鉄鋼業界では、「ミニ高炉」が増えている。機械メーカーが高炉を生産、規模は日本の高炉の十分の一以下と小さく価格は三十億円前後。ある日系商社の鉄鋼担当者によると、五年程度で投資を回収し、あとは設備がもつ間だけ生産を続けるというような企業が多いという。こうした安価な設備を買って鉄鋼業界へ参入した小規模メーカーは、中国に四百社程度あると見られる。 一定規模以上の投資は中央政府の認可事項だが、小規模投資は地方政府が認可権を握る。そのためミニ高炉のような小型設備の乱立については中央政府の管理が行き届きにくい。地方政府は地元経済の振興につながるとして投資を推進したがるからだ。農業用地なのに工業用地と偽って工場を建設したり、投資額を過少申告するなどの違法行為を、地方政府が黙認することも多いという。

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