三菱自動車再建は資金調達にも暗雲

2004年7月号
エリア: 日本

 三菱自動車の再建計画で、東京三菱銀行が出資する投資ファンド、フェニックス・キャピタルから受け入れる最大一千億円の出資に問題が浮上している。 三菱自動車はフェニックスに対し、「有利発行」と呼ばれる時価より低い価格での普通株割り当てを実施するが、これは収益力が乏しく普通の増資ができない企業が特定の取引先や銀行などに対して行なう異例の手法。新株の「有利発行」は、既存の株主が保有する株式の一株当たりの価値を下げるため、実行には株主総会で三分の二以上の賛成が必要になる。 問題は「ダイムラークライスラーや個人株主が有利発行に反対する可能性が高い」(三菱自動車関係者)ことだ。特に、フェニックスに筆頭株主の座を譲ることになるダイムラーについては、経営の主導権を失うこともあって、「ダイムラーに影響力を持つドイツ銀行などが許さないだろう」(同前)と見られている。 三菱グループの「別働隊」であるフェニックスの関係者からさえ「再建の見通しが低く、投資回収できるかきわめて疑わしい」との声が聞こえてくる中、三菱自動車の先行きは不透明だ。

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