ビジネス社会のとりかへばや物語

執筆者:喜文康隆 2004年7月号

「悲しい哉、すべての人間にこの山師的要素が存在する、而して若しその誘惑が十分強力であれば、発展しないとは限らぬ」(カーライル『英雄崇拝論』)     *「リゾート開発会社イ・アイ・イ‐インターナショナルの破産管財人が新生銀行(旧日本長期信用銀行)を相手にサイパンの裁判所などで起こしていた巨額賠償請求訴訟で、新生銀行は二百十八億円を支払うことで和解が成立した」 五月二十四日付の新聞各紙が伝えた新生銀行とイ・アイ・イ‐インターナショナルの和解記事は、大半の読者にとっては、それがどんな意味をもっているか理解することは難しかっただろう。しかし一九八〇年代から一九九〇年代にかけてのバブルの増殖、崩壊の時代を見つめ、日本長期信用銀行とイ・アイ・イの高橋治則との関係を垣間見た者にとっては、なんとも興味深い記事だった。 高橋治則は、世界を舞台にホテル・リゾート開発を手がける開発王から、一転、バブルに乗って野放図に暴れ回った悪徳経営者として葬り去られ、イ・アイ・イのメインバンクだった日本長期信用銀行はこの間、四兆円近い公的資金を注入された上で、米国の投資会社リップルウッドに経営権が移転した。そして新生銀行として株式上場するまでになった。

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