名門フィアット社危うし 発言力を強める銀行団の意向は

2004年7月号
エリア: ヨーロッパ

 イタリア自動車大手フィアットの創業者一族のリーダー、ウンベルト・アニェリ会長(享年六十九)が五月二十七日に癌で死去した。後継者難に苦しむ創業者一族は、辣腕で鳴らすグループ傘下のスポーツ車メーカー、フェラーリのルカ・モンテゼモロ会長を新会長に指名して急場を凌いだが、フィアットを財政支援する伊銀行団の発言力が一段と強まりそうだ。 アニェリ一族は二〇〇三年一月にウンベルト氏の実兄ジョバンニ・アニェリ名誉会長も癌で死去しており、相次いで精神的な支柱を病気で失った。一族の「将来の後継者」と目されているのはジョバンニ氏の孫息子ジョン・エルカンだが二十八歳とまだ若い。そこで一族と親密な関係で、知名度も高いモンテゼモロ氏に白羽の矢が立った。エルカン氏は副会長に昇格し、モンテゼモロ会長から「帝王学」を学ぶ計画だ。 フィアットは目下、大規模なリストラなどの経営合理化が着実に奏功しつつある。一―三月期決算では、売上高が百十一億七千六百万ユーロで前年同期比九・二%減だったが、純赤字は一億九千四百万ユーロで前年同期比七一・五%減と経営体質が大幅に改善。モンテゼモロ新会長は「我々の任務は再建計画を間断なく実行すること」と強調し、株主や金融市場の不安払拭に努めている。

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