エネルギー・電力不足の行方を左右する「政治」

執筆者:関根栄一 2004年8月号
タグ: 中国 経済 ロシア
エリア: アジア

第十次五カ年計画策定の際に成長率を低く見積もりすぎたことが、現在のエネルギー・電力不足の背景にある。政府は軌道修正に懸命だ。それでも、行政が強い権限を持つ中国で「失政のリスク」は消え去らない。[北京発]中国のエネルギー産業が巨額の資金調達に乗りだしている。その背景にあるのは、「走出去(海外進出)」戦略の急進展だ。 中国政府は環境負荷の大きい石炭への依存度を低め、よりクリーンなエネルギーである天然ガスへのシフトを進めている。今年三月に上海で開かれた第八回北東アジア・天然ガスパイプライン国際会議には、国家発展改革委員会能源局の白栄春局長が参加し、「立足国内、利用海外、西気東輸、北気南下、海気登陸、就近供給」という方針を披露した。「国内に足場を置き、海外を利用し、西の天然ガスを東に運び、北の天然ガスを南に運び、海上の天然ガスを陸地に揚げ、近場に供給する」ということだ。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top