「ムバラク後のエジプト」に大いなる不安

2004年8月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: アフリカ 中東

ムバラク大統領の健康不安説が頻繁に囁かれ始めた。いまだに後継体制が見えない中東の大国・エジプトを、世界は固唾を呑んで見守っている。[カイロ発]七十六歳になったムバラク・エジプト大統領(写真5頁)の健康不安説が囁かれ始めたのは六月初め。大統領は昨年十一月にも議会演説中に体調を崩して退場する姿が報道されたが、今回は水面下で噂が広がった。シャローム・イスラエル外相のエジプト訪問が延期になり、クレイ・パレスチナ首相との会談も日程が繰り下げられた。他にも海外要人との会談場所が大統領宮殿から私邸に変更されるなど、暗示的な事態が相次いだのだ。 重病説も流れる中、ムバラク大統領は六月二十日から七月七日までドイツに渡り、椎間板ヘルニアの手術と称して入院治療を受けている。当初は「数十分の簡単な手術を受けるだけ。五日から一週間で帰国できるだろう」と発表されていたものの、手術日が変更になるなどして、帰国は大幅にずれ込んだ。 術後の経過は良好とされており、重病説を裏付ける証拠もない。ただ、エジプト社会は大統領の健康問題に敏感な反応を示した。手術の予定が変更になった六月二十三日、「本当の病状は深刻なのではないか」との憶測からヘルメス指数(カイロ・アレクサンドリア証券取引所の代表的な株価指数)は二・五%急落。その翌日にエジプト国営テレビが入院中の大統領の様子を映し出すと、逆に安心感が広がって同指数は一・三%回復した。

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