敢えて「リコール大国」の道を選んだアメリカ

2004年8月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 北米

方向転換のきっかけは「フォード・エクスプローラー」の事故多発だったが、そこからの対応は三菱のリコール隠しと大きく違った。[ニューヨーク発]アメリカで一年間にリコール(無償の回収・修理)される車の数は、実は、一年に新しく売れる車の数よりも多い。昨年の新車販売市場は千六百六十八万台だったのに対し、リコール対象となった自動車は千九百五十万台。三菱自動車と三菱ふそうトラック・バスによる大量のリコール隠しが社会問題化した日本では六百万台(昨年度の新車販売・軽自動車を含む)と四百四十二万台(同リコール台数)なのだから、数字だけを見れば異様に映る。 米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)に届け出られたリコールの件数でも、今年一―六月ですでに二百九十四件を数えている。二〇〇三年は通年で五百二十九件(前年比二一%増)だったので、現在のペースで進めば昨年を上回るのは確実だ。 ただ、アメリカでは車が年中火を噴いているのかと言えばそうではない。日本車メーカーの中では米国で最もリコールの届け出が多いホンダは、「人身事故に直結しなくても、安全上少しでも疑義のあるものはすべてリコールを届け出る」と割り切っている。近年では新車開発の合理化が進み、複数車種で車台などを共有するケースが増えたため、一つの不具合でリコール対象となる車の数が膨みやすいという事情もある。だが、アメリカがリコール大国となった最大の理由は、リコール制度の運用を早くから改革したことにあるだろう。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順