饗宴外交の舞台裏 (156)

ロイヤル・ウェディングを彩った「緊縮財政」昼食会と「超豪華」晩餐会

執筆者:西川恵 2011年5月17日
タグ: フランス
エリア: ヨーロッパ

 英国のウィリアム王子とキャサリン・ミドルトンさんのロイヤル・ウェディングが行なわれた4月29日、バッキンガム宮殿では昼夜2つの饗宴がもたれた。1つはエリザベス女王主催のレセプション。もう1つは、チャールズ皇太子主催の晩餐会である。
 エリザベス女王主催の公式レセプションには、ウエストミンスター寺院での結婚式に参列した各国の王族、政府首脳ら約650人が招かれた。結婚したばかりのカップルのお披露目と、結婚式への参列に対する謝意を兼ねたこのレセプション、緊縮財政の折、国民の厳しい視線を意識して立食となった。
 宮殿の広報が発表したメニューによると、カニのサラダの前菜からチョコレートケーキのデザートまで22品。食べやすいように一口大のカナペでざっと1万個が用意された。宮殿お抱えのマーク・フラナガン料理長を中心とする21人の料理人が担当した。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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