国際論壇レビュー
先進国の政治麻痺と中国の「新世界秩序ビジョン」
欧州ではギリシャに端を発したユーロ通貨圏の債務危機が、中核国のイタリア、スペインへと波及する懸念が広がる。一方、アメリカでは債務上限引き上げをめぐる与野党折衝が難航。超大国のデフォルト(債務不履行)というまさかの事態は回避したが、米国債が前代未聞の「格下げ」となった。ドルもユーロも信頼できぬと円が買われ、最高値レベルの円高に――。まさに先進国経済大波乱のひと月だった。
政治が「麻痺状態」なのは日本だけではない。欧州もアメリカも、「決断できない政治」のため、経済が崖っぷちに追い込まれ、市場は大混乱を続ける。これからの世界はどうなるのか。日米欧3極と呼ばれ、世界の政治・経済をリードしてきた先進諸国が、無惨な姿をさらけ出している。
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