「サルコジ後」も見えてきた2012年仏大統領選

執筆者:国末憲人 2011年10月3日
エリア: ヨーロッパ
頭一つ抜け出したオランド前党首(中央)を現党首のオブリ(左)と前回大統領選の公認候補ロワイヤルが追う(c)AFP=時事
頭一つ抜け出したオランド前党首(中央)を現党首のオブリ(左)と前回大統領選の公認候補ロワイヤルが追う(c)AFP=時事

 9月末のフランス元老院(上院)選で、社会党を中心とする左派が歴史的な勝利を収めた。勢いに乗る社会党の大統領候補レースでは、前第1書記(党首)のフランソワ・オランドが頭一つ抜けだし、今月開かれる社会党の予備選を制しそうな情勢だ。これまで混沌としていた「サルコジ以外の大統領」の姿がおぼろげながら見えてきた。ただ、サルコジ陣営(右派)の巻き返しや中道や右翼の動向など、今後を左右する要素はまだ多い。来春の大統領選に向けて、フランスは政治の季節を迎える。

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執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
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