来年2012年には「両岸三地」と総称される中国、台湾、香港で、それぞれの政治指導者が交替する。中国(中華人民共和国)では胡錦濤総書記の後任は習近平でほぼ決定だろう。台湾(中華民国)では現総統で国民党主席の馬英九に、野党・民進党主席の蔡英文とヴェテラン政治家の宋楚瑜が挑み、目下、三つ巴の前哨戦といったところ。残る香港(中華人民共和国香港特別行政区)だが、2012年6月に2期目の任期が切れる曽蔭権(ドナルド・ツァン)の後任を巡って静かな戦いが展開されている。 国際社会に対する政治的影響力についていうなら、香港は中国や台湾に較べ限定的であり、政治指導者に対する注目度も小さいことは否めない。だが両岸三地が経済的補完関係にあり、3人の指導者の言動が微妙に絡み合っていることを考えると、次の行政長官に誰が選ばれるかは、今後の香港はもちろんのこと、両岸三地の将来像を考える上で重要なポイントとなるはずだ。
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