国際論壇レビュー

オバマ・ドクトリンで動き出す「太平洋国家アメリカ」の行方

執筆者:会田弘継 2011年12月16日
エリア: 北米 アジア
ダーウィンで演説するオバマ大統領(右はギラード豪首相)(c)EPA=時事
ダーウィンで演説するオバマ大統領(右はギラード豪首相)(c)EPA=時事

 これを「オバマ・ドクトリン」と呼ぶことになるのだろうか。アメリカが「太平洋国家」として明確に位置づけられた。ホノルルでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にはじまり、インドネシア・バリ島での東アジアサミットまで、9日間に及んだオバマ大統領のアジア太平洋歴訪。ハイライトは、「太平洋国家」を宣言したオーストラリア議会での演説だ(11月17日)。その前日に米海兵隊の北部豪州ダーウィンへの駐留計画が正式発表された。さらに、大統領の歴訪終了後にはクリントン国務長官の歴史的なミャンマー訪問。同国民主化へ向け米国の後押しが本格化した。ダイナミックな新アジア戦略が動きだした。

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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