冷戦時代、人々の価値観を支配したのは「東西」の対立構造だった。冷戦崩壊から20年を経て、現在の社会に存在する主要な対立構造は「上下」だといえないだろうか。 対立の軸となるのは「グローバル化」だ。グローバル化を積極的に受け入れるか、拒否するか。その判断は、教育水準としばしば結びついている。先進国家で は「教養と知性と所得に恵まれ、合理的な判断が可能で、新たな挑戦を恐れない人々」と「教育にも仕事にも恵まれず、自分の置かれた環境に不満を抱きつつ、 今ある生活を失うことに脅える人々」の格差がますます顕著になりつつある。 6月10日と17日に投開票のあったフランス総選挙は、そのような時代の到来を感じさせる結果となった。
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