「質的な変化」を遂げつつある米韓同盟(上)

 日本、米国、韓国、中国がそれぞれ権力の移行期にある中で、朝鮮半島をめぐる安全保障状況にいろいろな変化が生まれつつある。竹島(韓国名・独島)問題や尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題という領土紛争の激化による日韓・日中の対立の激化、中国の海洋拡張主義、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)後継政権登場による不確実性の増大という複雑な情勢の中で米国と韓国の関係にも大きな変化が生まれようとしている。特に、韓国のミサイル射程の延長や、2015年12月に迫った戦時作戦統制権の米国から韓国への移管と米韓連合司令部の解体という米韓関係の変化は、東アジアの平和と安定にどのような影響を及ぼすのだろうか。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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