【パースペクティブ】 保守派よ、教育現場のナショナリズム暴走を止めよ

執筆者:森口朗 2004年8月号
エリア: アジア

国旗国歌法の成立を機に、教育現場で「愛国心」が強制されるようになった。しかし、官僚的な押しつけで本当に「国を愛する心」は育まれるのか。東京都をはじめ全国で進む「教育正常化」を、保守の立場から批判する。 健全な自己愛を持たない者は、他者と良好な関係を築くことができない。親しくなるとむやみに依存し、避けられると一転して憎悪を向け、最悪の場合にはストーカーにさえなる。他者との適度な距離が保てないのだ。健全な郷土愛を持たない者もまた、他の地で暮らすのが上手くない。自分が生まれ育った地を愛さぬ者は、上京した途端に流行の衣装と情報で身を固め「東京人」になる。故郷の言葉を嫌悪し、そのくせ東京での暮らしが思わしくなくなると、途端に都会を非難し故郷に帰っていく。

カテゴリ: 社会
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