中東―危機の震源を読む (70)

ムバーラク最後の一日──加速するグローバル・メディア政治

執筆者:池内恵 2011年2月16日
エリア: 中東
告別の辞を述べる機会もなく辞任することになったムバーラク前大統領(c)AFP=時事(AFP PHOTO / EGYPTIAN TV)
告別の辞を述べる機会もなく辞任することになったムバーラク前大統領(c)AFP=時事(AFP PHOTO / EGYPTIAN TV)

 エジプトでは急速に事態が進展し、2月11日にはムバーラク大統領が辞任してエジプト政治は暫定的な軍政に移行した。全権を掌握した国軍最高評議会は2月13日に憲法を停止し、議会を解散。6カ月を目途に、新憲法を制定し、議会選挙と国家元首の選出を終えて、文民政府に権限を移譲する意思を発表している。1月25日に始まった反政府抗議行動は、18日間のデモで、ムバーラク政権を崩壊させた。

カテゴリ: IT・メディア
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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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