国際論壇レビュー

ソーシャルメディアが生みだす「公共圏」と民主化ドミノ

 こんな大歓声は聞いたことがない。声を限りに叫ぶ10万もの人々。まるで耳をつんざくようだ。いつまでも終わらない。
 2月11日夜。カイロのタハリール(解放)広場。約30年にわたり独裁を続けてきたエジプトのムバラク大統領が、圧政からの解放を求める市民の大規模デモの圧力の前に辞任した。市民の大歓声が夜空に響き渡った。 【画像 Tahrir Sq reacts to resignation】
 2000キロ西のチュニジアでは、約23年にわたり独裁を続けたベンアリ大統領が、やはり自由を求める市民デモに圧倒され、1月14日にサウジアラビアへと亡命。独裁に終止符を打った政変は、チュニジアの国花の名をとり「ジャスミン革命」と呼ばれた。

カテゴリ: IT・メディア
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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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