リビア情勢への中南米の反応(その2)制裁に踏み切ったブラジル
リビア問題をめぐる南米諸国の立場の違いが鮮明になりつつある。
2月26日国連安保理によって対リビア制裁決議が全会一致で採択されたが、議長国として決議の採択を取りまとめた非常任理事国ブラジルの動きに注目が集まっている。
2009年イランの核開発疑惑に対するアメリカ等の制裁の動きに反対し、トルコとともに制裁を回避するための仲介役を演じて、アメリカの反発を買うなどブラジルの独自外交を印象づけたが、今回はアメリカ等と一致して制裁に回ったからである。同決議には人道上の観点から中国やロシアも賛成したという特殊事情があったことは疑いないが、南・南協力や対米自立を意識したルーラ前政権の独自外交から、ジルマ・ルセフ政権になってより対米協調を意識した外交政策への転換とも受け取られている。
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