再現されるバルガス=リョサとフジモリの戦い――ペルー大統領選決選投票

執筆者:遅野井茂雄 2011年5月27日
エリア: 中南米

 6月5日に迫ったペルー大統領選決選投票は、各種世論調査によれば、4月10日の一回目の投票で8%の差をつけられていたケイコ・フジモリ候補が逆転し、ウマラ候補に数パーセントのリードを保つ優勢の中で最終盤を迎えた(Ipsos Apoyo:ケイコ43%、ウマラ39% Datum:ケイコ46.9%、ウマラ41.8%)。だが、「最悪の候補者同士」の中からの選択を迫られ「恐れが決定的要因」という選挙戦の中で態度未定が10%前後に上るとみられており(投票は義務)、投票直前まで何が飛び出すか分からず、予断を許さない状況が続いている。

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執筆者プロフィール
遅野井茂雄(おそのいしげお) 筑波大学名誉教授。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より筑波大学大学院教授、人文社会系長、2018年4月より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『試練のフジモリ大統領―現代ペルー危機をどう捉えるか』(日本放送出版協会、共著)、『現代ペルーとフジモリ政権 (アジアを見る眼)』(アジア経済研究所)、『ラテンアメリカ世界を生きる』(新評論、共著)、『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(アジア経済研究所、編著)、『現代アンデス諸国の政治変動』(明石書店、共著)など。
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